暗黙知ではだめで、形式知はベースライン。これからは集合知だ。2015-12-29
はいさい!
暗黙知・・・個人のみが知るうまくいくための「知」恵
形式知・・・集団の中で共有されているうまくいくための「知」恵
集合知・・・背景を異にする個人が集結した「知」恵
上の定義で考えてみたい。
ITILという資格がある。これはITの運用のグッドプラクティスをまとめたもので、いいかえるならば、「ITサービスはこうやればうまくいく!」っていう知恵袋。流石に世界で認められているだけあって、これは多岐にわたってよく考えられたものとなっている。また、グッドプラクティスをまとめたものであるので、実践的で、実用性に足るものだ。
企業なり、業界単位ではぜひぜひ、こういったグッドプラクティス集を蓄積していってほしい。そうすることによって、次始めるときは一段階上のレベルから始めることができる。ノウハウは企業の強みであり資産であるから公開することがためらわれるという言い分も予想されるが、切り貼りした部分を導入したとしても企業の一連の流れの中で行われることに対して、真似できるものでもないと思う。
形式知がこうやって広まっていくことは企業としては効率化がみこまれ、進化のスピードを上げていくことができる。そして後戻りが少なくなるから、ぜひとも積み重ねることにより、社会は多分に前進すると思われる。
だけど、これからの時代を生き残るには形式知の積み上げはあくまで基礎だと思う。これは例えるなら100m走でスタート地点を後ろに下げないための手段だ。
競争にかつためにはスピードを上げなくてはいけない。
それに必要なのが集合知ということ。歴史的に見ると個人の才能によって飛躍的に技術が進歩したということがある。エジソンの電球然り、アインシュタインの理論然り。スティーブ・ジョブスの革新性然り。しかしながら、個の才能の開花を待っていられるほど世間は悠長ではないし、各企業に天才がいるとも限らない。ならば、企業を推進する力をどうにかして生み出す必要がある。それが集合知なのだと思う。
会議とは本来はそういう場であるはずだった。知識を集合し、よりより知恵を出す。しかしながら、これがうまく行っていない。会議において、有効な意見を出し合え、そして、それぞれが出す意見が個々人の背景にもとづいており、背景が異なっていれば意見の枠が広がる。こうして集合知は深みと幅を持った生きたものになる。
となるとやはり、会議などで活発な意見を出せる環境や資質というものが大切になるのだろう。企業は集合知を有効に活用出来るだけでなく、集合知を生み出すための環境というものに気を使っていく必要があるだろう。
意見の集約という手間があるのでスピードを要する部分は優秀な個人の判断が勝る部分はあるだろうが、企業として前進する場合、フロンティア分野、ニッチ産業においては、この集合知が全体の推進力を支援していくものだと思う。