さいとうこうたろう物語

食にまつわる仕事をする人間が、日々の出来事を軸を持って眺めてみたい。

クラウドファンディングを自己資金 集めに使う 2016/02/010

はいさい!!

長野県の高山村にクラウドファンディング資金を集めてそれを自己資金として、金融機関からお金を借りて事業を推進した人がいる。ワイン造りにはワイン特区制度というものがあるらしい。

ワイン特区って? - mishimafarm

最低醸造量は2000リットルとなっているが、その規模で3000万程度の事業費がかかるんだとか。2000リットルで750mlのボトルが2600本程度であるということを、事業規模としては小さめであることは間違いない。

個人で3000万という金額は大金だ。家が一つ建つことになる。もちろん、事業主として借金を返しながらワインで利益を出していくのだからなかなか、大変であることは間違いない。件の湯本さんは840万を自己資金として、3000万の資金を借り、それを持って事業をスタートした。

彼の事業はこうだ。

年間平均売上高を1600万円と試算。1本あたりの単価は6000円強になる。高価格帯などのミックスもありえるので、単純ではないが、それでも安くてそれなりに美味しいワインが1000円前後で買える時代、なかなか大変であることは否めない。

しかしながら、彼は事業にこぎつけた。およそ多くの人は事業にこぎつける前に諦める。そう考えれば彼の実現は素晴らしいものだと言える。

彼は3年で返済できるとしている。3年で返済さえしてしまえば後はファンディングに使っていた資金が利益となるのだから悪い計算ではない。ましてや、彼は自己資金がない状態で始めたのだ。840万円の資金を個人でためていこうと思えばかなり大変であることは想像に難くないから、即効性が有り採算が高いのであればクラウドファンディング事業を始めるには持って来いだろうね。

宣伝効果もあることが大きいと思う。今回は147人の出資者だったが、147人がファンになり、ワインを購入してくれればそれだけでそれなりの売上になる。なんせ2000リットルでは2600本程度の生産なのだから、一人一本としても5%が売れているようなものなのだから。自分がもし、そのクラウドファンディングの出資者であればきっとそのワインを友人や知り合いに提供したいと思う。株主ではないが、出資しているわけだからね。このワインを作ったのは自分だって言っても嘘ではないわけで。

しかしながら、おいしくなければ意味が無い。その点は努力してもらうしかないが、それは未来のお話。

クラウドファンディングの出資者から資金を集めるためには人間として魅力がある必要があるだろうな。ワイナリーを持ちたいと思ったストーリーや、こだわり、そのたものろもろの他者と差別化できるものがある必要がある。当人の魅力で、笑顔が素敵だとか、この人はなんとなく信頼できそうといったように、他人に受け入れられる人間になる必要がある。

湯本さんのケースでのクラウドファンディングの利用の仕方はとても興味がある。クラウドファンディングの募集の時点で日本政策金融公庫の担当者から自己資金を800万を集められれば資金を貸し出すことを約束されていた。クラウドファンディングを通して出資しようとする人に一つの安全を与える。この後ろ盾があるだけで、事業として信用される。一般の人が利益化の道のりをどこまで見るかは程度があるだろうが、このお墨付きがあればおよそ多くの人は安心するだろう。

事業としての安心感と、話題性、そして自分のワイナリーというような所有者意識。これらを上手く統合できたクラウドファンディングにおける好事例であることは間違いない。

クラウドファンディングは有用であるが、同時に上手く使われなければ資金を集めるだけ集めてなかったことになるというようなケースもあるだろう。新進気鋭の起業家への道だとは思うが、出資する側も賢くなるか、ベンチャーキャピタルのように、起業をバックアップしてくれる団体が充実していけばいいのではないか。

あるいは、こういったクラウドファンディング事業を支援する保証・支援会社ができてもいいかも!